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私と蝶

不求甚解

ベルリン、トップガン、ゲルニカ

音楽

bloggerで同じタイトルのブログをやっていたのだが、編集がわかりづらいし、日本語にうまく対応してないし、いいテンプレもないので引っ越した。これからはできるだけ更新していく。自分が見つけた、面白いもの(音楽やマンガ、本が中心になるが、そういうものを「教養」とか呼ぶのはダサいので避ける)について書く。対して真面目にやる気はないけれど。

 

まず書きたいのはアメリカの「ベルリン Berlin」というバンド。この間まで漠然とイギリスっぽいな、と思ってた。いきなりいっぱい国の名前が出てきて訳分からんくなってる。

一番有名な曲がこれ。

 トムクル主演、「トップガン」の主題歌らしいすね、自分でも見たことないのがふしぎだけど見てない。

なんかこのメロディどこかで…と思ったら「天使にラブ・ソングを」のI will follow himの頭と同じメロディ?もちろん頭だけ…で、調べると、「天使にラブ・ソングを」が92年、「トップガン」が86年。I will follow him自体は一番最初の発表が61年、インストゥメンタルとして発表されたのを63年ペギー・マーチが歌詞をつけてカバーし、日本に入ってきた、と。パクリではないですけど、どうしてもtake my breath awayのイントロ、あの修道女たちを思い出さずにはいられない…

 

タイトルから分かるように80年代的ロマンチシズムバリバリなラブソングだが(邦題は「愛は吐息のように」!)、I will follow him抜きにしても滑り出しでずっこけた人は多いのでは。いきなりボヨーンとしたシンセ、チープなドラムマシン、大げさにエコーがかったストリングス。グルーヴとかそういうものは全くないが(もちろん、僕がこの曲より一つ下の世代の感受性を持っているからってのもある。でも正直youtubeのコメントにThis is the third most romantic song EVER!!とかあんのは謎)、聞いてるうちに癖になってくるから不思議。

世間からはこの曲で爆発的に売れて、そのあとしょんぼりしちゃった一発屋として認識されている、らしい。その証拠に、この曲が入ったアルバム、Count Three & Payを出した直後に解散する。一応1987年にDancing in Berlinというアルバムを出してはいますが、ほとんど情報がないので、多分売れなかったし、メンバー間のいざこざで権利の所在もうやむやになった系かな。

 

その後1997年に再結成し、2013年にはニューアルバムも出した。でも、

ださくね?

ババア版倖田來未という感じ?80年代の感性で現代のダンス、EDM文化を理解するとこうなる、みたいな。あと、

 これも、整形しすぎてて、清水アキラ研ナオコのモノマネみたいになってる。

 

まあこういう、昔良かったのに今は。。。みたいのはよくあるのでおいとくとして、気になってるのはこの人たちが売れる前。めちゃくちゃ面白いのは、デビューアルバムのInformation(1980)です。

 

一曲目 "Mind Control"から、プラスチックス?と見まごうほどの(そこまでスカスカではないけど)ゴリゴリニューウェーブテクノポップ。二曲目"Modern city"なんて、まさに踊れるゲルニカ。ボーカルのテリー・ナン Terri Nunnと並んでバンドの中心人物だったジョン・クロウフォード John Crawfordが書いた八曲目"A Matter of Time"も、ハルメンズを派手にしたみたいでいいですね。日本の80年代テクノポップの空気をなぜか彷彿とさせる面白いアルバムだと思います。

今ボーカルがテリー・ナンと書きましたが、このアルバム作成時はテリーは一時的に脱退しており、代わりを務めこのアルバムで歌っているのがヴァージニア・マコリーノ嬢 Virginia Macolinoです。彼女の、イメージとかそういうものから飛び出そうとしつつ色気も忘れない歌は、コンセプチュアルでもありエモーショナルでもあり。実際テリーより才能があると思うけど、これじゃ売れないだろ。

実際、このアルバムのようなニューウェイビーなセンスを持ったクロウフォードは、バンドのメンバーではなくプロデューサーのジョルジオ・モルダーが作曲した"take my breath away"の成功をそんなに良く思っておらず、これもまた良しとしたナン嬢と衝突し、その結果バンド解散、という事情があるようです。ナン嬢も、一時期ベルリンを脱退したのは「女優…あたい…スターになりたいんやで…!!」的な動機だったとのことで、そうした女性が整形ババアになってしまうのも仕方のないことではないでしょうか。でも昔のライブ自体はいいんだよなあ…

 

 超かっこいいし、踊れますね。シンセの音もいいし、脅迫的なベースも近未来的。両脇のシンセプレイヤーが機械的な動きに徹するのもかっこいい。スパークスの変態性も保ちつつ、踊れるポップさが彼らのいいところ。

 

一方のマコリーノ嬢ですが、このアルバムを録音したらさっさと脱退し、自分自身の個性を求めてBeast of Beastというこれまたコテコテパンクバンド(アルバムタイトルは"Sex, Drug and Noise")を結成します。これもどことなく日本っぽいんだよなあ…80年代アングラのミュージシャンが彼らの曲を聴いていないとは言えませんが、彼らがベルリンやマコリーノ嬢の影響を受けてあの音楽を作ったとは、僕はどうしても思えなくて、どちらかというと同時代的な現象としてたまたま雰囲気が似てしまった、という感じがするのです。恐るべし、マコリーノ嬢。